ヨガとファンクショナルローラーピラティス(FRP)の相乗効果!身体の中から変わる効果的なガルーダアーサナのやり方/宮城由香
- 代々木上原ヨガスタジオ studio GOD -
公開日:2024.05.31|最終更新日:2024.06.01
studioGOD代表でインストラクターの宮城由香です。
前回、ファンクショナルローラーピラティスとは?を書いたので、今回は私が行っているクラス
ヨガベーシック×FRPとはどんなことをやるのか、と なぜ効果的なのかをお伝えしていこうと思います。
それよりもまず、ファンクショナルローラーピラティスってなによ?って方は
https://studiogod-yoyogiuehara.com/column/1168/
↑この記事を見てね
今回の内容はこんな感じ☺
・ヨガベーシック×FRPとは
・ガルーダアーサナ(ワシのポーズ)を深めるためにFRPのエクササイズを取り入れてみよう!
・ヨガ×FRPがなぜ効果があがるのか
・ヨガやピラティスをすると日常生活はどうなる?
ヨガベーシック×FRPとは
studioGODの金曜日18:30−19:30に行われているクラスで
ヨガの基本のアーサナ(ポーズ)を丁寧に行うヨガベーシッククラス。
そのアーサナにはどんな動きが重なっているのか、上半身の動き・下半身の動きそれをどうやって繋いでいくのかを説明しながら、FRPのエクササイズも用いながら進めていきます。
骨盤を立てるって?
股関節の引き込みって?
胸開きたいのに肋骨開かないでってなに?
体幹の安定って??
クラスに当たり前のように出てくるヨガのアーサナでも疑問があったりしますよね。
一つ一つを理解しながら、FRPのエクササイズを用いて感覚を引き出しアーサナに入りやすく、また安定するように進めていきます。
ヨガに慣れている方には、身体の使い方を細かく確認し、意識を繋げていくことが深まっていく時間となります。
はじめての方にも安心してご参加いただけるクラスです。
とスタジオHPのレッスン内容に記載しています。
ヨガのアーサナ(ポーズ)を、ヨガのレッスン中でも十分に伝えているのですが、このクラスではFRPのエクササイズを用いることでいろんなアプローチでより深くアーサナを身体的に理解し、安定して安全で効果的にアーサナに入れるようにしていきます。
例えば…
肩甲骨を寄せた(内転)方が、後屈といわれる胸を開く・体幹を反らす(胸椎の伸展)アーサナは行いやすいです。
でも、ヨガのアーサナには肩甲骨を開いた(外転)した状態で胸を開くアーサナも多いです。
その時に、ただアーサナの見た目・形を真似するのではなく、肩甲骨を開いた状態で胸椎が伸展するとはどういうことなのかを理解すると、アーサナを行う感覚は全く違うものとなります。
ではガルーダアーサナ(ワシ)のポーズで少し解説をしていきましょう。
ガルーダアーサナ(ワシのポーズ)を深めるためにFRPのエクササイズを取り入れてみよう!
ガルーダアーサナは写真のように脚も腕も組んだ状態の片足バランスのポーズです。
普通にリードをするとしたら…
1.膝と股関節を曲げながら、右脚を軸にして左脚を上に乗せ組み、内ももを寄せ合う。
2.腕は左腕の上に右腕をのせて交差させ、肘を曲げ手のひらを合わせる。
3.股関節を引き込み、お腹を伸ばし胸を引き上げ、肘を肩の高さへ。目線は指先へ。
という感じでしょうか。
このリードがダメなのではなく、
ここからは、ファンクショナルローラーピラティスのエクササイズを使って体の感覚一つ一つを引き出していくとはどういうことかを説明していきますね。
アームアークス
まず腕と胴体を安定させていくエクササイズを!
腕の骨は胴体とくっついていないので筋肉で繋がっています。
なので、腕を使う時に胴体と安定させるには肩甲骨の安定が必要となります。
ガルーダアーサナの様に身体よりも前に腕があり、上に上げていく場合、肩甲骨を開き(外転)体幹との繋がりを強くしていきます。
肩甲骨の外転には前鋸筋という筋肉が働き、その前鋸筋の下部は外腹斜筋という肋骨を締めるような動きをする筋肉(腹筋の一つ)に繋がっているので、しっかり肩甲骨を安定させられると体幹が安定することに繋がっていきます。
なので、ガルーダアーサナは ただ腕を組む ではなく
『肩甲骨を開き肋骨にはりつけるように』という動きを意識してできると効果が上がります。
FRPにはアームアークスというエクササイズがあります。
ローラーの上で仰向けになり、脊柱のニュートラルを作ります。(ニュートラルの作り方は割愛します)
何も考えずに、ただ腕を上げると…
肩甲骨から腕を押し出していないので、肩甲骨が引けている状態(後退している)で、肩甲骨を開く筋肉が肋骨を締める筋肉につながっているのを先に説明したように、ここでは手を上げているだけなので、体幹への繋がりは出来ていない状態。なので腕の重さで肋骨はパカーンと開き、体幹が抜けている状態となります。
そして胸に引っ張られて腰も反っていってしまいます。
この↑写真の様に肩甲骨を開き、体幹との繋がりを作ると腕を上げても肋骨は開かずに体幹の安定を作れます。なので腰を反りすぎてしまうことも防げます。
この肩甲骨を開いて腕を上げるという動きは慣れていないと『手』や『腕』に力が入ります。
あくまでも肩甲骨を開くのは肩甲骨と肋骨を繋ぐ筋肉なので、手や腕の無駄な力を抜けるようにしていきたいです。
力が入ったものを抜くというよりは、無駄な力が入らずにこの動作ができると体幹は安定しているけど力んでいない状態を作れますよね。
ガルーダアーサナでもただ腕を組むではなく、肩甲骨を開き体幹を安定させて腕を組むに繋がります。
チェストリフト
肩甲骨を肋骨に近づけたまま(外転させたまま)腕を上げることが出来たら、次はそのまま胸を開く練習をしてみます。
FRPにはチェストリフトというエクササイズがあり体幹の安定をさせたまま、胸椎の伸展を促してくれます。
先に出た、肩甲骨と体幹が繋がっていない状態で反ってしまうと‥
写真のようにせっかく腕が身体の前にあるのに、肩甲骨が後退し、前鋸筋と外腹斜筋の力を繋げずに肋骨はパカーンと開いてしまっている状態…
胴体を反る時に体幹の力を抜いてしまうと…反りすぎてしまいます。
反るのが悪いのではなくて、反りすぎて脊柱を潰すような形になり『腰が痛い』という状況は避けたいですよね。
この写真は私なので、私は柔軟性があり胸椎で反ることができるのと、下腹部の力を抜いていないので、このエクササイズで腰が痛いという状況にはなりませんが、胸の柔軟性がまだない方が肩甲骨と肋骨を安定させていない状況でこのエクササイズを行うと胸が開かない分、腰で反ろうとしてしまいます。
そして、『頭を床につける!』のように目的を変えてしまった場合、首を反りすぎてまで行ってしまうでしょう。
ヨガのアーサナもFRPなどエクササイズでも、目的をすり替えてしまうと期待する効果は得られず、むしろ怪我に繋がってしまいます。
このエクササイズはあくまでも、肩甲骨と肋骨のつながりがあり体幹が安定した状態で、腰や首を反りすぎずに胸の可動を上げていきましょう!という目的です。
腕を動かす時に、肩甲骨・肋骨の安定(肩甲帯の安定)を作り体幹の安定があるまま、チェストリフトをすると下の写真のようになります。
先程の写真と見比べると肩が床の方に落ちずに肩甲骨が開いた状態で、肋骨もパカーンと開かずに胸椎の伸展をすることが出来ていますよね。
お腹の力を抜いて反るのではなく、体幹の力は入ったまま恥骨から鳩尾が遠ざかるように”お腹が伸びる”というような感覚になります。
ガルーダアーサナの、肩甲骨を開き体幹の安定を感じたままお腹が伸び、肩甲骨が胸椎を押し上げるという胸椎の伸展という状況に近づいていきます。
アームアークスとチェストリフトで肩甲帯・体幹の安定を作ったまま胸椎の伸展を練習したら今度は重力の方向性を変えてみます。
上の2つは重力を身体の前面で受けた状態。
チェストリフトは体幹の力を感じながら胸椎の伸展を促しています。(腹筋群の遠心性収縮)
マルチフィダス
次は立位の状態で重力を背面の方から受け、背面筋の力を使って脊柱の伸展を促すマルチフィダスというエクササイズを行います。これはバリエーションです。
まずローラーの上に膝立ちで、後頭部で手を組み、前のエクササイズで練習した肩甲骨を開いて体幹を安定させた状態を作ります。
そこから股関節を屈曲させて体幹を斜めにキープします。この状態がスタートポジション。
ここから肩甲骨・肋骨・体幹を安定させたまま胸椎を伸展させていきます。
よりガルーダアーサナに近いポジションとなりました。
股関節の屈曲からお腹が伸びて、体幹の力が抜けていないので腰を反りすぎず、肋骨もパカーンと開かず、肩甲帯も安定しているので体幹と腕の繋がりもあり、肩も上がっていない状態です。
話が少し逸れますが、
このポジションはウトゥカタアーサナ(イスのポーズ)にも似ていませんか?
ガルーダアーサナに向けてFRPのエクササイズを紹介していますが、これらのエクササイズはウトゥカタアーサナ(イスのポーズ)にも繋がります。
ウトゥカタアーサナだけでなく、他にも同じような身体の使い方をするアーサナはたくさんあるので、身体の使い方を覚えると他のアーサナももちろん安定していきます。
では下の写真はどうでしょうか
前の2つのエクササイズでこれだけうるさく言っていれば分かりますよね。
こちらの写真は、肩甲骨が開けていない(後退している)・押し出せていないので肘もすごく開き、肩も上がり‥
体幹が安定していないので肋骨はパカーンと開き腰も反りすぎて背骨が潰れている状態‥
しかもあごが上を向いて首の後ろを詰めていて‥
苦しそう‥こうなるなら、前のエクササイズからやり直したいです。
ガルーダアーサナでも(もちろんウトゥカタアーサナでも)この形に近くなってしまうことありますよね。
でも、腕と胴体の繋がり・肩甲骨・肋骨からの体幹の安定があり、お腹の伸びがあり、背面筋を使って胸椎の伸展が出来たら心地よいアーサナに繋がることが想像できませんか??
そして、まだ上半身の話‥
ではここで下半身はどんな意識をしていきたいかを説明していきます。
オールフォアーズ オンローラー(バリエーション)
フォームローラーを縦にして、膝を乗せます。
これはFRPのオールフォアーズオンローラーのバリエーション。
写真で見るとなんてことなさそうですが、脚(内もも)を寄せ続けないと膝が開いていきローラーから落ちます。ガルーダアーサナの”内ももを寄せ続ける”がここで練習ができるのです。
とにかくやってみて欲しい‥
内ももを引き寄せる力が弱い方は、多分すぐにわかると思います。
ガルーダアーサナの際、内もも寄せ続けていますか??
脚をかけて終わりになっていませんか?
中心に寄せ続けた力が股関節の引き込みからお腹が伸びて(恥骨から鳩尾が離れる感覚)行く。
アーサナを固めているのではなく、やり続けることで力が繋がりアーサナの保持が快適になっていきます。
股関節を引き込むだけでも、伸びるの感覚だけでもなくて、引き込む力と伸びる力の両方があるからこそバランスが取れるのです。
その軸をより中心に集めてくれるのが内もも!!
そして、いままで行ってきた肩甲骨・肋骨の体幹の安定からの胸椎の伸展と腕と体幹が繋がった状態。
これで下半身からのエネルギーを上半身・指先まで繋がっていきます。
上の写真はどうでしょうか。
お分かりのように‥
肩甲骨が開いていないので、体幹の安定がなく肋骨パカーン。体幹の安定が無いので腰も反る。
見た目の形だけをとっている状態ですよね。
ここまで来ると何か気づきませんか??
肩甲骨を開く力が肋骨パカーンの改善に繋がりそうだな。って。
また少し話が逸れますが
ヨガのレッスンで、肋骨パカーンをしている方に、『肋骨締めて』とか『肋骨閉じて』とか『鳩尾を背中の方へ‥』という指示聞いたことありませんか?
その指示がダメなのではなく‥
それが出来ないから肋骨パカーンになっているのですよね。
例えば、算数の勉強を教えているとして、
間違えた子に答えだけを教えて書き直させるのか‥
解き方を教えるのか。
目の前の間違いだけを指摘し、答えだけ教えて、その時に間違いを消して直しても
理解をしていないので、また同じ間違いをしてしまいますよね。
解き方を伝えられれば、理解するまでにまた間違えたりもするけれど、いつか自分自身で間違わずに答えが出せる時がきますよね。
ヨガも同じだと思います。
毎回、肋骨閉じて!を伝えるのか
そもそも肋骨パカーンにならない身体の使い方を伝えて、練習して、自分でできるようになるのか。
身体の使い方を理解していくと、自分自身で安定して安全なアーサナが取れるようになりますよね。
ぜひそうなって欲しいと思って私は指導しています。
さて、ここまで身体を理解し、安定したら、ガルーダアーサナをやってみて欲しいです。
ガルーダアーサナへの意識が変わり、意識が変われば効果も変わっていくかと思います。
そして、その前にもう一つFRPならでは!というエクササイズを。
これが力みなくできると、不安定の中で安定を探し、中心軸が見つかる。
全身が繋がり、伸長していくという感覚。が分かります。
床についていた脚を浮かせて、ガルーダアーサナの腕まで行う。
内ももを寄せ続けられて、股関節がしっかり引き込めていて、その力をお腹を引き上げる力とを引き合い続ける。
肩甲骨を開き肋骨と繋がり体幹の安定から、肘を肩の高さまで持ち上げる際に肩甲骨が胸椎を押し上げる感覚。
身体が安定していれば視線を上げても、たとえ目を閉じても身体の安定は変わりません。
ポーズを取って終わりではなく、すべてをやり続けること。感じ続けること。
繋ぎ続けることができれば、アーサナの保持は余分な力は必要なくなっていきます。
こんなふうに
ヨガベーシック×FRPのクラスはファンクショナルローラーピラティスのエクササイズを使いながら、アーサナの安定を目指してクラスを展開しています。
もちろんここに書いたものは一部なので、股関節の引き込みを練習したり、足を強くするようなエクササイズを入れたりエクササイズはいくらでもあります!!
そして、ヨガのアーサナを使って深めていくこともほぐしていくことももちろん行います。
ヨガ×FRPがなぜ効果があがるのか
ガルーダアーサナの説明のなかでもお伝えしていましたが、エクササイズを通して身体の使い方の練習をしていきます。
だからこそ、身体的にも効果があり、ヨガのアーサナも安定していきます。
身体が本来持っている機能を引き出していくから、小さい力で動きやすくなる・安定する が感じられます。
これが効率的に動くということで
無理やり・がむしゃらに・痛みを我慢して・限界を超えてまで やる などから
離れていけるのではないでしょうか。
ヨガをやろう!
ピラティスをやろう!が
運動不足解消!や肩こり腰痛の改善!スタイルアップ!運動のパフォーマンスを上げたい!快適な身体になりたい!など身体的な効果を求めて始めたことであれば、その初心を忘れずに、効率的に身体にも心にもポジティブに実践していければ
ヨガ×FRPでも、ヨガでも、ピラティスでも他の運動でも効果的だと思います。
今回の記事では、ヨガ×FRPのアプローチを説明しましたが、私のクラスは通常のヨガのクラスでも十分に身体の使い方をお伝えしていますので、来られるクラス・興味のあるクラスを体験してみてください!
ヨガやピラティスをすると日常生活はどうなる?
身体が効率的に動くことができれば、日常生活にももちろん繋がっていきます。
歩くのが楽!脚が軽い!
自転車に乗る時に、脚がパンパンにならなくなった!
肩こり腰痛がなくなった!
靴のすり減り方が変わった!
物を拾うなどしゃがむのも立つのも楽!
つまづきにくくなった!
服のサイズが変わった!
体重が変わってなくても、なんだかスタイルが変わった!
などなど
上げだしたらキリが無いくらい!
どんなエクササイズでも日常生活にも効果的だと思います。
ただ、身体の使い方が間違っていなければ。です。
間違うって言葉は難しいのですが、正しくできていれば効果はあるし、間違えていれば怪我をすることも改善されないこともあります。
自身の身体の声を聞けなかった場合にそれが起こるので(もしかしたら、指導者の指導方法もありますが‥)
自分の身体の声は自分にしか聞けないので、必ず自分の今の状態を感じながら行ってくださいね。
やる・やらない を決めるのは自分自身
どこまでやる を決めるのも
どんなふうにやる を決めるのも
ぜひ毎日の自分自身が快適になること
なりたい自分になることをイメージしながら
エクササイズの実践を継続してみてくださいね♪
ヨガやFRPをやりたいな♪と思ったらstudioGODでお待ちしております。
宮城由香クラス
火曜日
13:00−14:15 アーサナアライメントアドバンス
15:00−16:30 パワーヨガアドバンス
木曜日
14:30−15:30 ヨガベーシック
19:00−20:00 はじめてのアシュタンガヨガ
金曜日
12:00−13:00 ピラティス(FRP)
13:30−14:30 ヨガベーシック
18:30−19:30 ヨガベーシック×FRP
土曜日
12:00−13:00 アーサナアライメント
13:30−14:30 パワーヨガ